□TRIFLE□編集者は恋をする□

湿気を含んだ夜のアスファルトの上は、昼間の熱気を含んでいるのか、吹く風も生ぬるい。
まるで祭りの帰り道のように、街全体が浮足立っているように感じるのは、多少酔っているせいだろうか。

そんな事をぼんやりと考えながら平井と大下の後ろを歩いていると、大下がこちらを振り返った。

「今すれ違った女の子達、片桐さんのこと見てましたね」

大下の言葉に眉を潜めて視線の先を見ると、俺たちと同じくビヤガーデン帰りなのか、少し酔っ払った様子で歩く三人の女の子。

向こうも同じタイミングで降り返ったようで、目が合うとキャッキャと楽しげな声をあげながら笑っていた。

「モテますね、片桐さん」

「いや、背が高いぶん目に付くだけで、別にモテるわけじゃ」

俺が苦笑いすると、大下は今度は平井に話しかけた。

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