□TRIFLE□編集者は恋をする□
息を乱しながらそっと平井の頬を両手で挟み、額と額をくっつける。
その状態のまま目を開けると、同じく目を開いた平井と目が合って、小さく笑いながら子供の戯れのように触れるだけのキスを繰り返す。
「片桐のキス、にがい……」
「ん?」
「煙草の味」
「嫌か?」
「ううん、すき」
子供のように無邪気に笑って、俺の首に腕を絡ませる。
「もっとして」
こてんと小首を傾げてこちらを見上げる平井に、タチが悪いなと苦笑いする。
これが計算ならいいのに、全て天然で人の事を振り回す。
いつもは不器用で憶病なくせいに、酔っ払うと途端に甘え上手になるなんて反則だ。
触れるだけのキスをして唇を離すと、平井がもっととねだるように唇を尖らせる。
そんな様子が可愛くて、焦らすように唇ではなく小さな顎に唇を這わせた。