□TRIFLE□編集者は恋をする□
「ん……っ、やぁ……」
顎に首筋に鎖骨に、ちゅっとわざと大きな音をたててキスをすると、平井の足がじたばたとフローリングの床を滑る。
俺の髪に指を通し、唇が肌に触れるたびに甘い声をこぼして身体を震わせる。
「あ……、んん……」
鎖骨から胸元へと唇を滑らすと、俺の髪に触れていた平井の手から力が抜けて、ぱたりと床の上に落ちた。
不思議に思って顔を上げると、平井は床の上ですうすうと小さな寝息をたてていた。
「……このタイミングで寝るのかよ」
その幸せそうな幼い寝顔に、思わず苦笑いする。
「まぁ、あれだけ酔っぱらっていたから、仕方ないか」
そんな顔で寝られたら、これ以上手を出すわけにもいかなくて、俺はため息をつきながらそっと平井の身体を抱き上げベッドへと移動させる。
眠る平井の汗ばんだ頬をそっとなでると、むにゃむにゃとなにか呟くように口を動かし、また眠りに落ちる。
「……ずるいのはどっちだよ、本当に」
無邪気な寝顔に苦笑しながら、俺は煙草を取り出し火をつけた。
開いた窓から湿気を含んだ夜風が吹きこんで、カーテンが揺れていた。