□TRIFLE□編集者は恋をする□
 
「俺を親に紹介したくないからでないのか?」

苛立ちを隠さずにそう言うと、平井の目が見開いた。

「え……?」

「彼氏を家に連れてこいって言われてるんだろ?」

昨日、平井の電話の会話を断片的に聞いただけだけど、内容はなんとなくわかった。
平井の親は、付き合っている相手を紹介してほしいと言っているんだろう。

それを着信を無視してまで嫌がる平井に、微かな苛立ちを感じてしまうのは、俺の身勝手なんだろうか。

「ち、ちがう……!逆だよ!」

不機嫌になった俺に、平井が慌てて身体を起こす。

「紹介したくないんじゃなくて、一緒に実家に来てなんて言ったら、片桐に引かれるだろうと思って……!」

「は?」

俺が呆れて眉をしかめると、平井は顔を真っ赤にしてうろたえたように言葉につまりながら口を開く。

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