□TRIFLE□編集者は恋をする□
そんな家庭的な居酒屋のカウンターに、三浦くん、私、デガワ、と三人並んで座っていた。
「片桐さんは誘わなかったんですか?」
デガワが子供のように足をプラプラさせながら言う。
「片桐と編集長は、来月号の表紙のロケハンでまだ戻ってなかったから誘ってないよ」
「なんだぁ」
ぷくっと小さく頬を膨らませる彼女は、女の私から見ても可愛らしい。
「そういえば、平井さんと片桐さんってどっちが先輩なんですか?」
デガワは、私は絶対頼まないような可愛らしい色のカクテルをちびちび飲みながら小首を傾げた。
「歳は片桐が一個上だけど、ここに入ったのは私の方が先」
私とデガワの会話を聞いていた三浦くんが「へぇ、そうなんですね」と驚いたように肩を上げる。
「片桐さんカメラの扱いとかすごく慣れてるから、長いのかと思ってました」
「片桐はもともとフリーでカメラマンをしてたんだけど、文章も書けるし仕事も出来るからって、編集長が口説いて引っ張って来たの」
「きゃー、片桐さんフリーカメラマンだったんだ!やっぱりかっこいいー!」
両手を頬にあて、きゃーとデガワが嬉しそうに頬を染める。