□TRIFLE□編集者は恋をする□
 

気付けばデガワは隣の席のサラリーマンと意気投合していた。

さすがデガワ。合コン慣れしているだけある。
楽しく盛り上がりながらも、どんどんお酒を勧めようとするお酌をやんわりと受け流し、馴れ馴れしすぎる態度にはすっと身を引く。
でも、三人組サラリーマンのうち好みのタイプであろう長身の男に対してだけは、さり気なく肩に触れたり、グラスに口をつけたまま目もとだけで微笑んで見せたりする。

すごい女子力。
見てるだけで勉強になる。

見て勉強した所で、私にそれが生かせるとは思えないけれど。

「出川さんが心配ですか?」

隣から聞こえてきた声に振り返ると、三浦くんが私の事を覗き込んでいた。

「あ、いや。別に」

そう言いながら三浦くんの方に向き直る。
三浦くんはボトルで頼んだワインを、スイスイとまるで水のように飲んでいた。

「三浦くん、お酒強いね」

「そうですか?」

なんて言いながら、涼しい顔でワインに口を付ける。
彼の喉がごくりと上下するのを見て、綺麗だなぁと、ぼんやりと思った。

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