□TRIFLE□編集者は恋をする□
 

落ち着け、落ち着け!
駆け込んだトイレの鏡の前で大きく息を吸い込む。

別に男の人と付き合ったことが無い訳じゃない。
一応一通り経験してるし、大学時代はそれなりに言い寄られたりもしてたけど、7年のブランクはあまりにも長すぎる。

合コンなんかであんな風に触られたりしたら、どんなふうに対応していたっけ。
笑ってごまかしたり、やんわりとたしなめたり、今よりも上手にかわせていたはずなのに。
28歳にもなって、手を握られて固まったまま何もできないなんて。

鏡の中からこちらを見る私の頬は、わかりやすいくらい赤くなっていた。
いつもより確実に早くなってる自分の鼓動を聞きながら、ゆっくりと肩で息をした。

今日は飲みすぎたんだ。
あんな綺麗な顔をして意外と強い三浦くんのペースに合わせて、ちょっとお酒を飲みすぎた。

ええと、何杯飲んだっけ?
乾杯の時のビールをジョッキで飲んで、二杯はおかわりして。
途中で三浦くんがボトルで頼んだワインもちょこちょこ飲んだりして……。

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