□TRIFLE□編集者は恋をする□
 

「――何やってんだよ」

どこからか聞こえてきた威圧感のある低い声に、三浦くんの腕が緩んだ。
ようやく自由になれた、とホッとしながら声のした方を振り向くと、そこには不機嫌そうにこちらを見る背の高い男がいた。

「……片桐」

もしかして、三浦くんに抱きしめられてる所を見られてた?

こんなところを同僚の片桐に見られたなんてばつが悪くて、私は慌てて三浦くんから離れた。
なんとなく、片桐にはこんなシーン見られたくなかった。

でも三浦くんはまったく動じる様子もなく、いつもの爽やかな笑顔で片桐に向かって話しかける。

「片桐さんお疲れ様です。表紙のロケハンって言ってたから来ないと思ってました」

「俺は来ない方がよかったか?」

「そんな事ないですよ?ただ、こんな時間からわざわざ合流すると思いませんでした」

「俺も来たくなかったけど、編集長から様子見てこいって言われてんだよ」


片桐は面倒くさそうにそう言いながら、煙草を取り出してその口に咥えた。

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