□TRIFLE□編集者は恋をする□
正直、私は相当酔っていて細かい所まで覚えていない。
気が付けばそこは私のマンションの玄関で、狭い空間で立ったまま、片桐と激しいキスを繰り返していた。
見下ろすと足元に散乱する脱ぎ捨てられた靴と放り投げられた私のバッグ。
そこにバサリと音がして何かがまた落ちたと思ったら、私の着ていたコートだった。
片桐がキスをしたまま、器用に私の服を脱がし投げ捨てる。
「片桐……、私酔ってる……」
理性が抜け落ちてる。
まったく現実味がない。
ふわふわと、浮かんでるような頼りない浮遊感。
片桐のキスに応えながら私がそう言うと
「知ってる」
目の前で微かに目を細めて、片桐が笑った。
……大人って便利だ。
お酒のせいにして、
考えることを放棄できる。