□TRIFLE□編集者は恋をする□
「待って……っ!片桐だめだって!もう酔ってないのに、こんなの……!!」
酔った勢いならまだしも、酔いが醒めた状態で二回目なんて。
もう言い訳できないじゃない……!
「こっちはわざわざお前の酔いが醒めるのをまってたんだからな」
そんな私の気持ちを見抜いたのか、片桐は顔を上げ懇願する私の目を見て小さく笑った。
「酔ってて記憶ないなんて言わせないから、しっかり覚えておけよ」
なによそれ。
しっかり覚えておけなんて。
強引に私を押し倒しておいて、そんな身勝手な事を言わないでよ。
そう言いかえしてやろうと思ったけど、口を開けば出てくるのは上擦った嬌声ばかりだった。
私は反論を諦めて、せめて声が漏れないように必死に歯を食いしばる。
そんな余裕の無い私を上から見下ろしながら、片桐が満足げに笑った。