エリート御曹司はママになった初恋妻に最愛を注ぎ続ける
「彼だったりしてね」
「おお~、運命的だなぁ」
茶化すふたりに「まさか~」と笑って返しつつ、内心はドキドキしていた。
登録外の番号からかかってくるなんて、滅多にないことだから。
「もしもし?」
緊張気味にスマホを耳にあてる。
『俺だ。遅い時間にすまない。今、話せるか?』
名前を名乗らなくても、瑛貴さんだとすぐにわかった。スマホを通した声は生で聞く声と少し違って、妙にくすぐったい。
叔父さんたちがらんらんと目を輝かせてこちらを見ているので、頬にかぁっと熱が集まった。
「だ、大丈夫ですが……ちょっと、場所を移動しますね」
『胡桃ちゃんがそばで寝てる?』
「いえ、そうではないのですが……」
冷やかしの目が気になって、と声に出さずに思い、玄関でサンダルをつっかけて庭に出る。
秋めいてきた夜風が少し冷たいけれど、火照った肌を覚ますのにはちょうどよかった。