エリート御曹司はママになった初恋妻に最愛を注ぎ続ける

『今日はなにをしてた?』
「きょ、今日ですか? 特別なことはなにもしてませんが……娘を来年度入学させる幼稚園の資料を眺めたり、スーパーに行ったり、家事や娘の相手に明け暮れたりしているうちに夜を迎えたって感じです」

〝夜〟と言ったあたりで麻人さんから告白されたシーンが頭によぎり、少し動揺した。

 わざわざ瑛貴さんに報告する出来事ではないけれど……。

『大変だな。家族のためにやることが多くて』
「いえ、肉体的には疲れますけど、家族のためになにかするのはそれほど苦じゃありません。胡桃は私の宝物ですし」

 家事は叔父や叔母と分担できる作業も多いし、胡桃の成長を見据えて幼稚園やその他の下調べをするのは、大変というよりむしろ楽しい。

 幼稚園の制服は紺色のボレロに赤いチェックのスカートだとか、英会話の時間があるとか、遠足の行き先は動物園だとか。

 胡桃にはたくさんの明るい未来が待っているなぁ……なんて、幼稚園の情報だけでちょっと大げさだけれど、楽しそうな胡桃の姿を思い浮かべるだけで、親の私まで幸せになる。

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