エリート御曹司はママになった初恋妻に最愛を注ぎ続ける
『そうか……。きみは変わっていないな』
「そうでしょうか?」
代わっていないって、いつから?
フィンランドで再会した時? それとも、幼稚園児の頃? 後者だったらかなりショックだけど……。
『ああ。こうして話しているだけで、ホッとして笑顔になれる』
それは喜んでいいのだろうか。幼稚園児の頃から進歩のない私を面白がって笑っているわけではないよね?
「ど、どうも……」
『もっと話していたけど、胡桃ちゃんがきみの不在に気づいたら寂しがるだろうから、そろそろ切るよ。明日、きみから電話があるのを楽しみに待ってる』
そうだ……明日は私から電話する約束だった。予定を伝えるだけとはいえ緊張する。
「はい、わかりました」
『おやすみ、亜椰』
「おやすみなさい……」
短い挨拶すら瑛貴さんの声だと甘い響きに聞こえ、胸の奥がきゅっと疼く。そして、涼しい庭にいたのに頬の火照りもまだ収まっていない。
赤い顔で来週末の予定なんか聞いたら、また叔父さん達に冷やかされちゃう……。
そう思うとひとりで気まずくなり、無性に誰かに相談したくなってスマホを覗いた。