エリート御曹司はママになった初恋妻に最愛を注ぎ続ける
予想外の言葉にぴたりと足を止める。次の瞬間、こちらに歩み寄ってくる男性に気が付き、スマホを耳から離してぽかんと口を開けた。
「車で来ると連絡をもらっていたから、外に出てロータリーの車の流れに注意を払っていたんだ」
スマホをポケットにしまい、駅前のロータリーに視線を投げながら瑛貴さんが話した。
黒のジャケットとパンツにクルーネックの白セーターを合わせた、シンプルなモノトーンコーデが洗練された大人の雰囲気だ。
「そ、そうだったんですね。お待たせしてごめんなさい」
「いや、待つのは構わないんだ。ただ……」
瑛貴さんが軽く目を伏せ、言いよどむ。続きが聞きたくてジッと彼を見つめていると、彼は観念したように口を開いた。
「きみを送迎するのが若い男とは知らなかったな」
瑛貴さんらしからぬ拗ねたような口ぶりに、心臓がつねられたような痛みを覚える。
まさか、麻人さんに嫉妬している……? いや、自意識過剰だろう。
思わせぶりなセリフの多い彼だが、どうして私に結婚を申し込んできたのか、今現在私をどう思っているのか、一番大切な部分はまだきちんと確認できていないのだ。