エリート御曹司はママになった初恋妻に最愛を注ぎ続ける
とっさに日本語で謝って見上げた男性の顔を見て、ぽかんと口を開ける。
今日はスーツ姿ではなく、腕まくりしたブルーのシャツに白のパンツを合わせたカジュアルファッションなので印象が少し違うけれど、この人は……。
「きみと会うのは三回目だな」
「そ、そうですね。こんにちは」
大きく見開かれたアーモンド形の目は、行きの飛行機で隣の席になり、昨日は雑貨店でも偶然再会した、あの社長さんのものだった。
彼もまた驚いた様子で、私の顔を凝視している。
挨拶したはいいもののすぐに会話は途切れ、この気まずい空気をどうしたものかと悩んでいると、彼が私の背後を覗いてハッとしたように言った。
「あった……。やっぱりこの店だったのか」
なにげなく彼の視線を追うと、その目が捉えていたのは、例のままごとキッチン。男性からはあまり家庭の匂いがしないものの、実は小さなお子さんでもいるのだろうか。
様子をうかがっていると、キッチンの前にしゃがみこんだ彼が隅から隅までキッチンを観察する。
かと思うと、パッと立ち上がって店内をキョロキョロし始める。さっきの私とまったく同じ行動だ。