エリート御曹司はママになった初恋妻に最愛を注ぎ続ける
目の前の瑛貴さんの年齢はわからないが、初恋の男の子の年齢と照らし合わせても、違和感はない。
それに、彼が飛行機でくれた飴……。もしかして、本当に彼がえーきくん?
目を凝らして面影を見つけようとするけれど、遠い昔の記憶なので男の子の顔をハッキリ覚えているわけではなく、確証が得られない。
穴が空くほどに彼を見つめていたら、瑛貴さんはクスッと笑った。
「俺の正体を知りたければ、きみの泊まっているホテルの名前を教えてもらえるか? 明日の夜六時半に迎えに行く」
どうしよう。教えていいのだろうか。瑛貴さんが危険な人物だという可能性はほとんどなくなったし、ここまで偶然が重なると彼の正体を知りたい気持ちの方が勝ってしまう。
知ってどうなるというわけでもないけれど……ただ単純にもう少し、瑛貴さんと話してみたい。
「ホテル・ヴィオラ……です」
「ありがとう。必ず迎えに行くよ、亜椰」
私は名乗らなかったのに、ずっと前から知っていたかのようにサラッと名前を口にした彼の笑顔に、初恋のえーきくんの顔がぼんやり重なった。
気のせいか、もしくは自分の願望が見せた幻かもしれない。それでも、やっぱりちゃんと真実を知りたい。