エリート御曹司はママになった初恋妻に最愛を注ぎ続ける
「亜椰」
「はい」
「さっき、嘘をついただろう」
「えっ……?」
ドクン、と鼓動が揺れ、空から瑛貴さんに視線を移す。瑛貴さんは真剣な眼差しを私に注いでいた。
「俺のことは懐かしい友達としか思えないと……本当にそう思っているなら、もう一度目を見て言ってくれないか? あの時、きみは一度も俺と目を合わせなかった」
……どうしよう。私の嘘が見透かされていたみたいだ。
返事に迷って下唇を噛む私に、瑛貴さんが一歩近づく。
それからスッと両手を顔の脇に差し入れ、至近距離から私の目を覗いた。
「きっぱり振ってくれるなら、俺だってあきらめる。……だからお願いだ、答えてくれ。きみは本当に、俺をなんとも思っていないのか?」
もう一度、嘘をつかなきゃ。今度は彼の目を見て。できるでしょう? 亜椰。
これ以上彼に深入りしたらダメ。
もうひとりの私が必死で訴えるのに、瑛貴さんと見つめ合っていると勝手に胸が熱くなって、彼への気持ちに抑えがきかなくなる。
胸の前でギュッと手を握りしめた私は、意を決して口を開いた。