Lost at sea〜不器用御曹司の密かな蜜愛〜
宗吾がもしはっきり言ってくれていたら、妊娠したことを黙っていることも、彼の元を黙って去る事もなかった。こんなに苦しい思いをする必要はなかったのだ。
「ごめん……六花が言いたいことはわかってる。俺がちゃんと話していれば六花に辛い想いをさせることはなかったんだ」
背後から宗吾に抱きしめられ、六花はその腕から逃れようともがき続けたが、力尽き彼の腕にもたれかかった。
「六花がいなくなって、しばらくは自分の不甲斐なさを嘆いたよ。俺は何を失敗したんだろ、どうしたら良かったんだろうって悩み続けた。そんな時に由利先輩と仕事で再会したんだ」
そういえば一番最初に海で会った時、そんな話をしていたことを思い出す。
「大学時代に六花と仲が良かったし、連絡を取り合っていないか聞いたんだ。その時は知らないと言われたけど、しばらくして先輩から六花と会ったって連絡をもらって……妊娠していることを知った」
宗吾は力を緩めて、六花の腕をそっと引いて自分の方に向かせると、再び六花の体を抱きしめた。
「も、もしかしたら宗吾の子じゃないかもしれないじゃない……」
「元カレとはそういう関係はなかったって言ってたし、計算したら俺以外の可能性は考えられなかった。だからどうして妊娠のことを言ってくれなかったのかわからなくて、六花に会うことは出来なかったんだ」
「何それ……! そもそも宗吾がはっきりしないからこんなことになったんじゃない! もしちゃんと言ってくれてたらこんなに悩まなかったのにーー!」
「わかってる……! 全部俺のせいだ……。一度、意を決して六花に会うためにここに来たんだ。そうしたらたまたま遊びに来ていた六花のご両親とばったり会って、問い詰められて……全ての事情を話したよ。最初はもう六花に会うなって拒否された。だから何回も謝罪して、やっと話してもらえるようになったんだ」
宗吾は六花の顔を覗き込むが、視線を合わせてもらえず、悲しげに下を向く。
「ご両親に聞いたよ。六花、俺のことを全く悪く言ってなかったんだってね。『彼に迷惑をかけたくないから、一人で育てることにした』ってーーだからご両親は六花が不倫でもしていたんじゃないかって不安だったらしいよ」
宗吾の指が六花の頬を優しく撫でながら涙を拭っていく。
「でも許すかどうかは六花の判断だから、私たちは何も出来ない。今は悪阻が長引いて少し不安定になっているし、一度決めるとなかなか曲げない意地っ張りなところがあるから、会うなら産後の落ち着いた頃にした方がいいって」
さすが親は子どものことをよくわかっている。あの頃は一人で頑張ると決意したばかりだし、再会していたら彼を拒絶していたに違いない。
「ごめん……六花が言いたいことはわかってる。俺がちゃんと話していれば六花に辛い想いをさせることはなかったんだ」
背後から宗吾に抱きしめられ、六花はその腕から逃れようともがき続けたが、力尽き彼の腕にもたれかかった。
「六花がいなくなって、しばらくは自分の不甲斐なさを嘆いたよ。俺は何を失敗したんだろ、どうしたら良かったんだろうって悩み続けた。そんな時に由利先輩と仕事で再会したんだ」
そういえば一番最初に海で会った時、そんな話をしていたことを思い出す。
「大学時代に六花と仲が良かったし、連絡を取り合っていないか聞いたんだ。その時は知らないと言われたけど、しばらくして先輩から六花と会ったって連絡をもらって……妊娠していることを知った」
宗吾は力を緩めて、六花の腕をそっと引いて自分の方に向かせると、再び六花の体を抱きしめた。
「も、もしかしたら宗吾の子じゃないかもしれないじゃない……」
「元カレとはそういう関係はなかったって言ってたし、計算したら俺以外の可能性は考えられなかった。だからどうして妊娠のことを言ってくれなかったのかわからなくて、六花に会うことは出来なかったんだ」
「何それ……! そもそも宗吾がはっきりしないからこんなことになったんじゃない! もしちゃんと言ってくれてたらこんなに悩まなかったのにーー!」
「わかってる……! 全部俺のせいだ……。一度、意を決して六花に会うためにここに来たんだ。そうしたらたまたま遊びに来ていた六花のご両親とばったり会って、問い詰められて……全ての事情を話したよ。最初はもう六花に会うなって拒否された。だから何回も謝罪して、やっと話してもらえるようになったんだ」
宗吾は六花の顔を覗き込むが、視線を合わせてもらえず、悲しげに下を向く。
「ご両親に聞いたよ。六花、俺のことを全く悪く言ってなかったんだってね。『彼に迷惑をかけたくないから、一人で育てることにした』ってーーだからご両親は六花が不倫でもしていたんじゃないかって不安だったらしいよ」
宗吾の指が六花の頬を優しく撫でながら涙を拭っていく。
「でも許すかどうかは六花の判断だから、私たちは何も出来ない。今は悪阻が長引いて少し不安定になっているし、一度決めるとなかなか曲げない意地っ張りなところがあるから、会うなら産後の落ち着いた頃にした方がいいって」
さすが親は子どものことをよくわかっている。あの頃は一人で頑張ると決意したばかりだし、再会していたら彼を拒絶していたに違いない。