Lost at sea〜不器用御曹司の密かな蜜愛〜
「六花は意地っ張りだし、俺は口下手だし、周りの人の方が俺たちを放って置けなかったみたいでさ、たくさん助けてもらったんだ。ついでに言うと、由利先輩が協力してくれたのはパーティーに六花を連れ出すことだけ。あとは自分で頑張れって」
「萌音さんは?」
「何も知らないはずだよ。萌音さんと六花が仲良くなりかけていたから。『うちの奥さんを巻き込むな』って釘を刺されたよ」
「なるほど……これからじっくり聞き出さなきゃいけないことが山ほどありそうね」
「もちろん。全て白状するよ」
宗吾は体をゆっくりと揺すりながら愛生をあやしている。二人の笑顔を見た時、六花の胸が熱くなった。
やっぱり似てるーーいつか二人が並んでいるところを見たいと思っていた。それがこうして目の前にあって、こんなにも幸せを感じている。きっとこれからはこれが当たり前の光景になるのだろう。
愛する娘が生まれて、二人で生きていくーーそれだけで幸せだった。だけど自ら置いてきてしまったもう一人の愛する人が現れて、私に新しい未来を繋いでくれた。
きっと離れていた時間があったからこそ、お互いへの気持ちや自分のことを振り返ることが出来て、こうして素直になれた。
六花は二人をぎゅっと抱きしめると、思わずクスクスと笑い出す。
「どうした?」
「ん……愛する人たちをこの両手で抱ける日が来るなんて思わなかったから、幸せだなぁって思ったの」
「俺も……今度は絶対に離さないように、どんなこともちゃんと言葉にして伝えるから」
すると宗吾は何かを思い出したかのように、愛生を抱いたまま寝室から出ると、居間へと戻っていった。
置いてあったカバン中を探り始め、中からまだ何も記入されていない婚姻届を取り出す。
「今度は契約結婚じゃなくて、正式なものとして書いてほしい」
正式なものねーー六花が苦笑すると、宗吾は困ったように笑った。
「もしかして、気付いてた?」
「……それは住所のこと? それとも不受理届のこと?」
「あはは。両方、かな……」
「気付いたっていっても、今日ようやく知ったの。それまではそんなものがあるなんて知らなかったから」
「気付かれるかもしれないって覚悟はしてたんだ」
「……もしそうなったらどうするつもりだったの?」
「他の作戦や言い訳もたくさん考えてた」
「……そうなんだ」
「逆にさ、もし俺が勝手に婚姻届を提出したとしたら、六花はどうしてたと思う?」
それはいつの時を指すのだろう。婚姻届を書いた時か、それともこの一週間を終えてからだろうか。
もし婚姻届が受理されたとしたらーー六花は両手で顔を覆うと下を向いた。
そんなの決まってるじゃない……。
「たぶん……何もしなかったと思う。あの頃、元カレと別れて落ち込んでいたのに、宗吾と過ごしていくうちに元気になれたの。徐々に宗吾を好きになり始めていて……でも自覚するのが怖くて、あなたの前を去った」
「萌音さんは?」
「何も知らないはずだよ。萌音さんと六花が仲良くなりかけていたから。『うちの奥さんを巻き込むな』って釘を刺されたよ」
「なるほど……これからじっくり聞き出さなきゃいけないことが山ほどありそうね」
「もちろん。全て白状するよ」
宗吾は体をゆっくりと揺すりながら愛生をあやしている。二人の笑顔を見た時、六花の胸が熱くなった。
やっぱり似てるーーいつか二人が並んでいるところを見たいと思っていた。それがこうして目の前にあって、こんなにも幸せを感じている。きっとこれからはこれが当たり前の光景になるのだろう。
愛する娘が生まれて、二人で生きていくーーそれだけで幸せだった。だけど自ら置いてきてしまったもう一人の愛する人が現れて、私に新しい未来を繋いでくれた。
きっと離れていた時間があったからこそ、お互いへの気持ちや自分のことを振り返ることが出来て、こうして素直になれた。
六花は二人をぎゅっと抱きしめると、思わずクスクスと笑い出す。
「どうした?」
「ん……愛する人たちをこの両手で抱ける日が来るなんて思わなかったから、幸せだなぁって思ったの」
「俺も……今度は絶対に離さないように、どんなこともちゃんと言葉にして伝えるから」
すると宗吾は何かを思い出したかのように、愛生を抱いたまま寝室から出ると、居間へと戻っていった。
置いてあったカバン中を探り始め、中からまだ何も記入されていない婚姻届を取り出す。
「今度は契約結婚じゃなくて、正式なものとして書いてほしい」
正式なものねーー六花が苦笑すると、宗吾は困ったように笑った。
「もしかして、気付いてた?」
「……それは住所のこと? それとも不受理届のこと?」
「あはは。両方、かな……」
「気付いたっていっても、今日ようやく知ったの。それまではそんなものがあるなんて知らなかったから」
「気付かれるかもしれないって覚悟はしてたんだ」
「……もしそうなったらどうするつもりだったの?」
「他の作戦や言い訳もたくさん考えてた」
「……そうなんだ」
「逆にさ、もし俺が勝手に婚姻届を提出したとしたら、六花はどうしてたと思う?」
それはいつの時を指すのだろう。婚姻届を書いた時か、それともこの一週間を終えてからだろうか。
もし婚姻届が受理されたとしたらーー六花は両手で顔を覆うと下を向いた。
そんなの決まってるじゃない……。
「たぶん……何もしなかったと思う。あの頃、元カレと別れて落ち込んでいたのに、宗吾と過ごしていくうちに元気になれたの。徐々に宗吾を好きになり始めていて……でも自覚するのが怖くて、あなたの前を去った」