Lost at sea〜不器用御曹司の密かな蜜愛〜
六花は宗吾の腕から愛生を受け取ると、マットの上に座らせる。おもちゃをいくつか並べると、愛生はそれらを手に取って楽しそうに遊び始めた。
「あの頃の私たちは自分たちのことしか考えられなくて、相手の想いを汲むことが出来ていなかった。今回もそれに近い状態だったけど……朝夏さんのお陰でちゃんと向き合うことが出来たと思う」
「はっきり言って、これからも朝夏さんと会うたびに宗吾が好きだった人だって思い出すと思う。宗吾と私の距離が近づく時に必ず朝夏さんがいるのはちょっと複雑な気がするし、会うたびに寂しさを感じるのかなって不安はあるのよ……」
悲しげに俯いた瞬間、突然宗吾に肩を掴まれキスをされた。驚いたようにキョトンとしている六花を、宗吾はただ真っ直ぐに見つめる。
「俺が心から愛しているのは六花だけだ。過去は変えられないけど、これから先、朝夏さんと顔を合わせても不安にならないように、ちゃんと言葉にして伝え続けるからーーいや、態度でも示していく!」
「……一番愛してるのは私だけ?」
六花の言葉に、宗吾はハッとしたように口を開けた。
「ち、ちがう! もちろんまーちゃんも一番愛してる!」
宗吾の口から何度も『愛してる』なんて言葉が出ると、あまりの違和感に六花はつい笑ってしまう。
「うん……そうね。ちゃんと言葉にしてくれたから伝わったよ。だけど今日だけで終わらないようにね」
「もちろん、もう二度と二人のそばを離れないって誓うよ」
「……私も宗吾とまーちゃんを一番愛してるってちゃんと伝えるからーー」
「あと、どこかにいく時は行き先を必ず伝えてほしい。じゃないと心配で眠れなくなる」
宗吾は六花に満面の笑みを向けると、再びキスをする。六花はそっと目を伏せ、彼からの愛に身も心も溶けるような感覚を覚える。
「もしかして……私がいなくなって眠れなかったとか?」
「あの日からずっと、六花が隣にいないと寝た気がしないんだ」
宗吾は真っ赤になって六花の胸元に顔を埋める。その仕草に胸が高鳴るのを感じた。
なんでこんなに可愛いの⁈ こんな宗吾今まで見たことがないーー六花は思わず彼の背中を強く抱きしめた。
すると宗吾は顔を上げ、六花の顔を覗き込む。
「六花、もう一度言うよ。俺と……結婚してくれませんか?」
きっともう大丈夫。だってこの人がこんなに愛おしいし、彼にこの顔をさせられるのは私だけだって自信を持って言えるもの。
不安そうに返事を待つ宗吾の唇に、六花は力いっぱいキスをする。
「もちろん!」
その途端、愛生の楽しげな笑い声を響いたため、二人は顔を見合わせて吹き出した。
「あの頃の私たちは自分たちのことしか考えられなくて、相手の想いを汲むことが出来ていなかった。今回もそれに近い状態だったけど……朝夏さんのお陰でちゃんと向き合うことが出来たと思う」
「はっきり言って、これからも朝夏さんと会うたびに宗吾が好きだった人だって思い出すと思う。宗吾と私の距離が近づく時に必ず朝夏さんがいるのはちょっと複雑な気がするし、会うたびに寂しさを感じるのかなって不安はあるのよ……」
悲しげに俯いた瞬間、突然宗吾に肩を掴まれキスをされた。驚いたようにキョトンとしている六花を、宗吾はただ真っ直ぐに見つめる。
「俺が心から愛しているのは六花だけだ。過去は変えられないけど、これから先、朝夏さんと顔を合わせても不安にならないように、ちゃんと言葉にして伝え続けるからーーいや、態度でも示していく!」
「……一番愛してるのは私だけ?」
六花の言葉に、宗吾はハッとしたように口を開けた。
「ち、ちがう! もちろんまーちゃんも一番愛してる!」
宗吾の口から何度も『愛してる』なんて言葉が出ると、あまりの違和感に六花はつい笑ってしまう。
「うん……そうね。ちゃんと言葉にしてくれたから伝わったよ。だけど今日だけで終わらないようにね」
「もちろん、もう二度と二人のそばを離れないって誓うよ」
「……私も宗吾とまーちゃんを一番愛してるってちゃんと伝えるからーー」
「あと、どこかにいく時は行き先を必ず伝えてほしい。じゃないと心配で眠れなくなる」
宗吾は六花に満面の笑みを向けると、再びキスをする。六花はそっと目を伏せ、彼からの愛に身も心も溶けるような感覚を覚える。
「もしかして……私がいなくなって眠れなかったとか?」
「あの日からずっと、六花が隣にいないと寝た気がしないんだ」
宗吾は真っ赤になって六花の胸元に顔を埋める。その仕草に胸が高鳴るのを感じた。
なんでこんなに可愛いの⁈ こんな宗吾今まで見たことがないーー六花は思わず彼の背中を強く抱きしめた。
すると宗吾は顔を上げ、六花の顔を覗き込む。
「六花、もう一度言うよ。俺と……結婚してくれませんか?」
きっともう大丈夫。だってこの人がこんなに愛おしいし、彼にこの顔をさせられるのは私だけだって自信を持って言えるもの。
不安そうに返事を待つ宗吾の唇に、六花は力いっぱいキスをする。
「もちろん!」
その途端、愛生の楽しげな笑い声を響いたため、二人は顔を見合わせて吹き出した。