極甘悪魔な御曹司の溺愛は揺るがない【財閥御曹司シリーズ伊達家編】
「もう聞いて。博之おじさんが私に見合い話を持ってきたのよ」
「え? 見合い?」
 姉の話を聞いて驚きの声をあげる。
「ちょっと来て」
 姉が私の手を掴んでリビングに連れていく。
 中に入ると、ソファに伯父夫婦と叔父が向かい合って座って談笑していた。
「博之おじさん、おはようございます」
 私が挨拶すると、叔父は穏やかな目で微笑んだ。
 彼は木村博之といって、伯父と私の亡くなった母の弟。少し恰幅がよく、いつもおおらかな彼は大企業の役員をしていて人望も厚い。
「やあ、愛音ちゃん、昨日はお友達と誕生日のお祝いしてたんだって?」
「まあ、はい」
 ニコッと笑顔を作り、曖昧に返事をする。
 叔父さんは私が勤務しているディーエーの専務。私が入社できたのも、叔父のコネがあったからだ。
 本当は姉に憧れて国家公務員になろうとしたのだけれど、あがり性の私は試験当日にお腹が痛くなって試験を受けられなかった。まったく就職活動をしていなかった私に救いの手を差し伸べてくれたのが、この博之おじさん。
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