絶対に結婚したくない令嬢、辺境のケダモノと呼ばれる将軍閣下の押しかけ妻になる
「フランチェスカ?」

 きょとんとした顔で長いまつ毛を瞬かせたマティアスが妙にかわいかったので、フランチェスカはにっこりと微笑む。それから精一杯背伸びしつつささやいた。

「愛しています、マティアス様……あなたのことを心からお慕いしています……それでその……私を本当の妻にしてくれますか?」

 マティアスは一瞬ビクッと体を震わせたが、すぐにその瞳をニヤリと細め、両腕でフランチェスカの体を抱きしめると、覆いかぶさるようにキスをしてくる。
 それは触れるだけのキスではない。もっと深いところで繋がる大人のキスだ。
 むさぼるように口づけられて、息ができなくなった。

「ん、んんっ……!?」

 人妻のくせして経験がないフランチェスカは、未知の体験にじたばたと体を動かしたが、マティアスはフランチェスカを逃がすつもりはないようで。彼の熱っぽい口づけに、フランチェスカはあっという間に腰が砕けそうになる。

「ん、あっ、もうっ、マティアスさまっ……」

 なんとか唇を外したほんの一瞬、責めるように胸を叩くと、彼はいたずらっ子のようにささやきながら顔を覗き込む。

「フランチェスカ。君の気持ちが分かった以上、もう遠慮はしない。君のすべてを俺のものにする。覚悟してくれ」

 その声は熱っぽくかすれていて――。

「は……はい……」

 フランチェスカは顔を真っ赤に染めつつも、こくりとうなずいたのだった。

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