初心な人質妻は愛に不器用なおっさん閣下に溺愛される、ときどき娘
適当に相打ちを打ちながら話を聞いていた。否定はしない、肯定もしない、自己主張もしない。
ただ彼女たちは純粋に興味を持ち、その情報を仕入れたいのだろうという気持ちが伝わってきた。ここにいる人たちは、言葉の駆け引きではなく純粋に会話を楽しんでいるのだ。これが国柄の違いなのか人柄の違いであるのか、オネルヴァにはよくわからない。
「お母さま」
子ども特有の甲高い声が聞こえると、そこにいた女性たちは皆、声の主に視線を向けた。誰もが「お母さま」と呼ばれるのに心当たりがあるのだろう。
「あら、ジョザイア。どうかしたの」
声が呼んだ「お母さま」はシャーロットであった。
「エルシーがいなくなっちゃった」
カシャン――。
オネルヴァが手にしていたカップが滑り落ちると足元で割れた。こぼれたお茶は、地面に吸い込まれ、そこだけ色を変えていく。
すぐさまメイドが駆けつけてその場を片づけてくれたが、オネルヴァの頭の中は真っ白になり、少しだけ呼吸が苦しくなる。
「オネルヴァ様?」
リオノーラの声で我に返る。
「エルシーを探してまいります」
ただ彼女たちは純粋に興味を持ち、その情報を仕入れたいのだろうという気持ちが伝わってきた。ここにいる人たちは、言葉の駆け引きではなく純粋に会話を楽しんでいるのだ。これが国柄の違いなのか人柄の違いであるのか、オネルヴァにはよくわからない。
「お母さま」
子ども特有の甲高い声が聞こえると、そこにいた女性たちは皆、声の主に視線を向けた。誰もが「お母さま」と呼ばれるのに心当たりがあるのだろう。
「あら、ジョザイア。どうかしたの」
声が呼んだ「お母さま」はシャーロットであった。
「エルシーがいなくなっちゃった」
カシャン――。
オネルヴァが手にしていたカップが滑り落ちると足元で割れた。こぼれたお茶は、地面に吸い込まれ、そこだけ色を変えていく。
すぐさまメイドが駆けつけてその場を片づけてくれたが、オネルヴァの頭の中は真っ白になり、少しだけ呼吸が苦しくなる。
「オネルヴァ様?」
リオノーラの声で我に返る。
「エルシーを探してまいります」