初心な人質妻は愛に不器用なおっさん閣下に溺愛される、ときどき娘
だが、今のキシュアス王国には、そんな戦力すら残っていない。
「ああ、父は元気だよ。臣下にも恵まれているからね。彼らもよくやってくれている。民にも充分に食料が行き渡るようになったし、今は畑の整備も始まっている」
「そうですか……。それは、よかったです。安心しました……」
膝の上で両手を握りしめる。
「君は、ここに来て幸せか?」
そう問われて「はい」という言葉を呑み込んだ。そもそも『幸せ』とは何かがわからない。
「そうですね、よくしてもらっております。もう、打たれることもありませんし……」
「そうか。君が今の生活に満足しているのであれば、俺から言うことは何もない。兄としては、妹が気になって仕方ないのだよ。いきなり、母親になったのも大変だったろう?」
アルヴィドの手が伸びてきて、組んでいたオネルヴァの両手を優しく包んだ。驚いて、顔をあげる。彼は微笑みながら、オネルヴァを見つめていた。
「エルシーは、とてもいい子です。本当にわたくしが、あの子の母親でいいのかと、何度も悩みました」
「そうだな……あの子は純粋な子だ。本当に、あの男の娘なのかと疑いたくなるくらいに」
その言葉に、オネルヴァは何も答えなかった。ただ、にっこりと微笑む。
「エルシーが、アルヴィドお兄様にまた会いたいと言っておりました。機会がありましたら、お屋敷のほうにも遊びにきてください」
「ああ、機会があったらそうさせてもらう。今回は、友好国として視察を兼ねているんだ。だから、地方にも足を伸ばすつもりでいる」
「ああ、父は元気だよ。臣下にも恵まれているからね。彼らもよくやってくれている。民にも充分に食料が行き渡るようになったし、今は畑の整備も始まっている」
「そうですか……。それは、よかったです。安心しました……」
膝の上で両手を握りしめる。
「君は、ここに来て幸せか?」
そう問われて「はい」という言葉を呑み込んだ。そもそも『幸せ』とは何かがわからない。
「そうですね、よくしてもらっております。もう、打たれることもありませんし……」
「そうか。君が今の生活に満足しているのであれば、俺から言うことは何もない。兄としては、妹が気になって仕方ないのだよ。いきなり、母親になったのも大変だったろう?」
アルヴィドの手が伸びてきて、組んでいたオネルヴァの両手を優しく包んだ。驚いて、顔をあげる。彼は微笑みながら、オネルヴァを見つめていた。
「エルシーは、とてもいい子です。本当にわたくしが、あの子の母親でいいのかと、何度も悩みました」
「そうだな……あの子は純粋な子だ。本当に、あの男の娘なのかと疑いたくなるくらいに」
その言葉に、オネルヴァは何も答えなかった。ただ、にっこりと微笑む。
「エルシーが、アルヴィドお兄様にまた会いたいと言っておりました。機会がありましたら、お屋敷のほうにも遊びにきてください」
「ああ、機会があったらそうさせてもらう。今回は、友好国として視察を兼ねているんだ。だから、地方にも足を伸ばすつもりでいる」