初心な人質妻は愛に不器用なおっさん閣下に溺愛される、ときどき娘
◇◆◇◆ ◇◆◇◆
カタカタと揺れる馬車内で、隣に座っているオネルヴァはうとうととしていた。先ほどから、頭が不安定にあっちにいったりこっちにいったりとしているのだ。
イグナーツは、そんな彼女から目を離せずにいる。
ミラーンに呼ばれ、別室でよくない報告を聞いた。だが、それに対して人を動かせる状況でもなく、まずは情報収集を優先させることとの結論で、その場は解散となった。
バルコニーに一人残してきたオネルヴァのことが心配で、終わり次第そこへ戻ると、彼はアルヴィドと楽しそうに踊っていた。
従兄妹同士、まして義理の兄妹とわかっていても、彼女の笑顔を引き出している彼に対抗心が芽生えたのは否定できない。
彼女の隣に相応しいのは、年齢も見た目も釣り合った彼のような男なのではないかと、心の中で比べていたのも事実。
「ん……。あ、すみません。眠っていましたか?」
「ああ、気にするな。疲れただろう? 俺は疲れた」
「あ、はい……そうですね。本当に、このように人がたくさん集まるような場に出たのは、初めてでしたので」
「楽しめたか?」
彼女の気持ちが知りたかった。
「はい。お料理も美味しかったし、何よりも、旦那様と踊れたのが楽しかったです」
微かに綻んだ口元すら、愛おしいと感じる。
カタカタと揺れる馬車内で、隣に座っているオネルヴァはうとうととしていた。先ほどから、頭が不安定にあっちにいったりこっちにいったりとしているのだ。
イグナーツは、そんな彼女から目を離せずにいる。
ミラーンに呼ばれ、別室でよくない報告を聞いた。だが、それに対して人を動かせる状況でもなく、まずは情報収集を優先させることとの結論で、その場は解散となった。
バルコニーに一人残してきたオネルヴァのことが心配で、終わり次第そこへ戻ると、彼はアルヴィドと楽しそうに踊っていた。
従兄妹同士、まして義理の兄妹とわかっていても、彼女の笑顔を引き出している彼に対抗心が芽生えたのは否定できない。
彼女の隣に相応しいのは、年齢も見た目も釣り合った彼のような男なのではないかと、心の中で比べていたのも事実。
「ん……。あ、すみません。眠っていましたか?」
「ああ、気にするな。疲れただろう? 俺は疲れた」
「あ、はい……そうですね。本当に、このように人がたくさん集まるような場に出たのは、初めてでしたので」
「楽しめたか?」
彼女の気持ちが知りたかった。
「はい。お料理も美味しかったし、何よりも、旦那様と踊れたのが楽しかったです」
微かに綻んだ口元すら、愛おしいと感じる。