初心な人質妻は愛に不器用なおっさん閣下に溺愛される、ときどき娘
「どうかしたのか?」
目を細め、じっと見つめてくる。
「お茶をお持ちしました。少し、休まれてはいかがですか?」
「ああ、そうだな」
落ち着いた動作でイグナーツは立ち上がる。ただそれだけなのに、オネルヴァの胸はチクリとした。
「もしかして、それが例のケーキか?」
ワゴンの上にあるケーキに気がついたようだ。
「はい。エルシーが食べたいと言いまして。それで、作りました。旦那様も食べてみたいとおっしゃっていたので、お持ちしたのですが」
「ちょうど小腹が空いたと思っていたところだ」
彼が笑みを浮かべると、目尻に皺が寄る。それですらオネルヴァの気持ちは揺さぶられる。
「あの……」
オネルヴァとしては、かなり勇気を出して声をかけた。
「わたくしもご一緒してよろしいでしょうか。旦那様と少しゆっくりとお話をしたいと思っておりましたので」
「そうしてもらえるとありがたい。美味しい物も一人で頂いては味気ないだろう?」
彼はソファに座りながらそう言った。
目を細め、じっと見つめてくる。
「お茶をお持ちしました。少し、休まれてはいかがですか?」
「ああ、そうだな」
落ち着いた動作でイグナーツは立ち上がる。ただそれだけなのに、オネルヴァの胸はチクリとした。
「もしかして、それが例のケーキか?」
ワゴンの上にあるケーキに気がついたようだ。
「はい。エルシーが食べたいと言いまして。それで、作りました。旦那様も食べてみたいとおっしゃっていたので、お持ちしたのですが」
「ちょうど小腹が空いたと思っていたところだ」
彼が笑みを浮かべると、目尻に皺が寄る。それですらオネルヴァの気持ちは揺さぶられる。
「あの……」
オネルヴァとしては、かなり勇気を出して声をかけた。
「わたくしもご一緒してよろしいでしょうか。旦那様と少しゆっくりとお話をしたいと思っておりましたので」
「そうしてもらえるとありがたい。美味しい物も一人で頂いては味気ないだろう?」
彼はソファに座りながらそう言った。