初心な人質妻は愛に不器用なおっさん閣下に溺愛される、ときどき娘
ただイグナーツの心臓は早馬が駆けるかのように、ドドドドと音を立てていた。これはよくない兆候だ。
イグナーツが将軍職についているのは、戦術や技量に長けているためだが、真の理由は別にある。
彼は魔力が強い。魔力が強ければ、誰よりも強力な魔術を使い、魔導具すら作れる。
魔術と魔導具は、生活魔法とは異なる。生活魔法は、生活に必要なものに魔力を注ぐ行為を指すが、魔術は魔力を用いて技をなす。物を移動させたり、逆に拘束したりと、その技はそれぞれだ。何もないところで火を起こしたり、突風を吹かせたりも術式によっては可能である。
また、魔導具はそれらの技を起こすための道具である。魔力を注ぎ込まれた魔導具は、組み込まれた術式が展開して技が発動する。例えば、相手に衝撃を与え気絶させる防犯魔導具などがよく知られている。
生活魔法は誰でも使えるが、魔術を扱える者は限られてくる。また、魔導具に魔力を注ぎ込めるような人間も限られている。だから、魔導具は貴重な道具ととして扱われているのだ。
さらに、その中でも特段に強い魔力を備えているのがイグナーツであった。イグナーツが軍人となったのには、その魔力の強さも理由の一つである。
強すぎる魔力は、定期的に解放しなければ身を蝕む。
それを知ったのは、学生の時だった。成長期を迎え、身体が子どもから大人へと変化する時期に、彼の魔力はぐんと強くなる。それは、イグナーツの両親が予想していたよりも強い魔力であった。
すぐさま彼の両親は魔法医師に相談をしたが、成長期に伴う著しい魔力の成長という診断をされた。だが、魔力が急に成長してしまったため、身体がついていかない。
イグナーツが将軍職についているのは、戦術や技量に長けているためだが、真の理由は別にある。
彼は魔力が強い。魔力が強ければ、誰よりも強力な魔術を使い、魔導具すら作れる。
魔術と魔導具は、生活魔法とは異なる。生活魔法は、生活に必要なものに魔力を注ぐ行為を指すが、魔術は魔力を用いて技をなす。物を移動させたり、逆に拘束したりと、その技はそれぞれだ。何もないところで火を起こしたり、突風を吹かせたりも術式によっては可能である。
また、魔導具はそれらの技を起こすための道具である。魔力を注ぎ込まれた魔導具は、組み込まれた術式が展開して技が発動する。例えば、相手に衝撃を与え気絶させる防犯魔導具などがよく知られている。
生活魔法は誰でも使えるが、魔術を扱える者は限られてくる。また、魔導具に魔力を注ぎ込めるような人間も限られている。だから、魔導具は貴重な道具ととして扱われているのだ。
さらに、その中でも特段に強い魔力を備えているのがイグナーツであった。イグナーツが軍人となったのには、その魔力の強さも理由の一つである。
強すぎる魔力は、定期的に解放しなければ身を蝕む。
それを知ったのは、学生の時だった。成長期を迎え、身体が子どもから大人へと変化する時期に、彼の魔力はぐんと強くなる。それは、イグナーツの両親が予想していたよりも強い魔力であった。
すぐさま彼の両親は魔法医師に相談をしたが、成長期に伴う著しい魔力の成長という診断をされた。だが、魔力が急に成長してしまったため、身体がついていかない。