初心な人質妻は愛に不器用なおっさん閣下に溺愛される、ときどき娘
成長期を終えたイグナーツには、強すぎる魔力が残った。本来であれば喜ばしいことであるが、魔力が強すぎるうえに、身体が魔力に負けてしまう。それの対処方法が魔力を解放すること。
魔力解放のためには、軍に入るのが手っ取り早いと判断し、学院卒業と同時に軍に入隊した。
そのなかでイグナーツは適当に魔力の解放する仕方を覚えていく。そうやって軍に居続けて、いつの間にか将軍と呼ばれる地位にまで就いていた。
「んっ……」
隣のエルシーが、がさりと寝返りを打った。そろそろお目覚めの時間だろうか。
休暇中、イグナーツを困らせていたのは魔力の解放であった。軍施設にいけば、それを解放する術はあるが、ここにいるかぎりそれはそう簡単にできない。
「あ、お父さま……」
眠そうな瞼をなんとか開けようとしながら、エルシーはイグナーツを見ている。そして思い出したように顔の向きをかえ、オネルヴァの存在を確認する。
「おはようございます、エルシー」
穏やかなオネルヴァの声が聞こえる。
「おはようございます、お母さま」
エルシーの口調がいつもよりたどたどしいのは、まだ眠いからだろうか。
「お父さまもおはようございます」
「おはよう。よく眠れたかい?」
魔力解放のためには、軍に入るのが手っ取り早いと判断し、学院卒業と同時に軍に入隊した。
そのなかでイグナーツは適当に魔力の解放する仕方を覚えていく。そうやって軍に居続けて、いつの間にか将軍と呼ばれる地位にまで就いていた。
「んっ……」
隣のエルシーが、がさりと寝返りを打った。そろそろお目覚めの時間だろうか。
休暇中、イグナーツを困らせていたのは魔力の解放であった。軍施設にいけば、それを解放する術はあるが、ここにいるかぎりそれはそう簡単にできない。
「あ、お父さま……」
眠そうな瞼をなんとか開けようとしながら、エルシーはイグナーツを見ている。そして思い出したように顔の向きをかえ、オネルヴァの存在を確認する。
「おはようございます、エルシー」
穏やかなオネルヴァの声が聞こえる。
「おはようございます、お母さま」
エルシーの口調がいつもよりたどたどしいのは、まだ眠いからだろうか。
「お父さまもおはようございます」
「おはよう。よく眠れたかい?」