初心な人質妻は愛に不器用なおっさん閣下に溺愛される、ときどき娘
気がつけば、太陽はだいぶ西に傾いていた。
室内は薄暗くなり始め、魔石灯がぽつぽつと灯り始める。
「お前は、先に帰ってもいいぞ」
「私も帰りたいところではあるのですが、そのような状態の閣下を一人にするのも気が引けるといいますか。心配といいますか……」
「ん? どうかしたのか?」
「どうかしたのか、ではありませんよ。自覚がないとは恐ろしい」
ミラーンはこれ見よがしに、大きくため息をついた。
「閣下の魔力が不安定です。その状態が長く続けば、魔力に飲まれますよ? 適度に解放してください」
ミラーンはイグナーツの魔力の状態を知っている。他の誰よりも強い魔力を持ち、場合によっては魔力によって侵されてしまうその状況を知っているし、その状態を目の当たりにしたこともある。
「ああ。そうだな。本当は、あいつらの様子を見るためにも訓練場へ行こうと思っていたんだ」
行きたかったけれど行けなかった。訓練場は、夜間は閉鎖する。
「休暇の間はどうされていたのですか? あぁ、休暇中だから、気持ち的にゆとりがあったのですね?」
魔力が体内に留まるのは、外的要因も原因の一つとも言われている。とにかく、イグナーツのように魔力の強い者は、定期的に外に魔力を出さなければならない。
「魔法を放つだけが魔力の解放方法ではないからな。休暇中もそれなりに解放はしていた。今日もその方法を使うから、大丈夫だ」
イグナーツの魔力の解放の仕方は二つある。
室内は薄暗くなり始め、魔石灯がぽつぽつと灯り始める。
「お前は、先に帰ってもいいぞ」
「私も帰りたいところではあるのですが、そのような状態の閣下を一人にするのも気が引けるといいますか。心配といいますか……」
「ん? どうかしたのか?」
「どうかしたのか、ではありませんよ。自覚がないとは恐ろしい」
ミラーンはこれ見よがしに、大きくため息をついた。
「閣下の魔力が不安定です。その状態が長く続けば、魔力に飲まれますよ? 適度に解放してください」
ミラーンはイグナーツの魔力の状態を知っている。他の誰よりも強い魔力を持ち、場合によっては魔力によって侵されてしまうその状況を知っているし、その状態を目の当たりにしたこともある。
「ああ。そうだな。本当は、あいつらの様子を見るためにも訓練場へ行こうと思っていたんだ」
行きたかったけれど行けなかった。訓練場は、夜間は閉鎖する。
「休暇の間はどうされていたのですか? あぁ、休暇中だから、気持ち的にゆとりがあったのですね?」
魔力が体内に留まるのは、外的要因も原因の一つとも言われている。とにかく、イグナーツのように魔力の強い者は、定期的に外に魔力を出さなければならない。
「魔法を放つだけが魔力の解放方法ではないからな。休暇中もそれなりに解放はしていた。今日もその方法を使うから、大丈夫だ」
イグナーツの魔力の解放の仕方は二つある。