ヒーローはかわいい天使さま
「碧維。雨、上がったみたいだよ」
柄にもないことをしてしまったと、照れくさくなってきた。誤魔化すように滑り台の外へ出る。空を見上げると、雲の切れ目から陽の光が差し込んでいた。
「見てあそこ。天使のはしご。……きれい」
「來実」
名前を呼ばれて振り向くと、碧維が私にヘアピンを差し出していた。
「これ、あげる」
「天使のモチーフ? かわいい」
「それを見たとき、來実みたいだと思ってつい買ってしまった」
金色に輝く天使の髪はゆるふわだ。愛らしい笑顔で、眺めていると心が和むようなデザインだった。
「嬉しい。碧維、ありがとう」
さっそく新しいヘアピンを髪に飾ろうとしていると、自分より大きな手が伸びてきた。私の代わりに髪に止めてくれた。
「どう? 似合う、かな」
「すごく似合う。かわいい」
碧維は幸せそうに、頬をほころばせて笑った。
「今度、碧維のために料理を作るね」
「うん。楽しみにしてる」
「ここまで探しに来てくれて、ありがとう」
「來実のことが大好きだからね。どこまでも探しに行くよ」
「私も、碧維のことが、……大好き」
語尾は尻すぼみになったけれど、それでも彼は頬を少し赤らめ、嬉しそうにほほえんだ。
「來実。俺と、付き合ってくれる?」
「私の、彼氏になってくれますか?」
二人同時に「もちろん」と答えた。息がぴったりで、吹き出して笑い合った。
「來実、行こう」
雲間から差し込む陽の光が、柔らかく笑う彼の髪を金色に輝かせている。
きれいで、やっぱり少しうらやましい。高校を卒業したら、彼の髪色に染めようと密かに決意しながら、差し出された手を強く握り返した。
碧維は私の大切な恋人で、かっこいいヒーロー。そして、これからもずっと、かわいい天使さま。
Fin
柄にもないことをしてしまったと、照れくさくなってきた。誤魔化すように滑り台の外へ出る。空を見上げると、雲の切れ目から陽の光が差し込んでいた。
「見てあそこ。天使のはしご。……きれい」
「來実」
名前を呼ばれて振り向くと、碧維が私にヘアピンを差し出していた。
「これ、あげる」
「天使のモチーフ? かわいい」
「それを見たとき、來実みたいだと思ってつい買ってしまった」
金色に輝く天使の髪はゆるふわだ。愛らしい笑顔で、眺めていると心が和むようなデザインだった。
「嬉しい。碧維、ありがとう」
さっそく新しいヘアピンを髪に飾ろうとしていると、自分より大きな手が伸びてきた。私の代わりに髪に止めてくれた。
「どう? 似合う、かな」
「すごく似合う。かわいい」
碧維は幸せそうに、頬をほころばせて笑った。
「今度、碧維のために料理を作るね」
「うん。楽しみにしてる」
「ここまで探しに来てくれて、ありがとう」
「來実のことが大好きだからね。どこまでも探しに行くよ」
「私も、碧維のことが、……大好き」
語尾は尻すぼみになったけれど、それでも彼は頬を少し赤らめ、嬉しそうにほほえんだ。
「來実。俺と、付き合ってくれる?」
「私の、彼氏になってくれますか?」
二人同時に「もちろん」と答えた。息がぴったりで、吹き出して笑い合った。
「來実、行こう」
雲間から差し込む陽の光が、柔らかく笑う彼の髪を金色に輝かせている。
きれいで、やっぱり少しうらやましい。高校を卒業したら、彼の髪色に染めようと密かに決意しながら、差し出された手を強く握り返した。
碧維は私の大切な恋人で、かっこいいヒーロー。そして、これからもずっと、かわいい天使さま。
Fin

