幼なじみ、じゃない。


「やっとお昼ご飯食べられる~…」



解放感で、足が軽く弾んでる。

理由はたぶん、それだけじゃないけど。


自分でも分かるくらい、浮かれてる。




廊下を歩いていて、ふと視線を彷徨わせると知っている後ろ姿を見つけた。



「ーー…涼?」



あそこは…空き教室。なんでそんなところに?


でも、あの後ろ姿は間違いなく涼だ。

何してるんだろう…。


少しずつ、吸い込まれるようにその教室へ寄っていく。



覗くなんて、悪趣味。そんなことはしたくない。だけど、そこにいるのが涼なら、自然と足は動いてしまう。



ーー嫌な予感がする。




「見なければよかった」…そう後悔するなんて、知らなかった。



教室に近づく程、本能が警告を出している。


ーー引き返せ、と。



その警告を無視した私は、涼と向かいに立っている人を見て、息を飲んだ。



「ーーっ、!」




涼と一緒にいるの……高橋さん…?


なんで……。



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