幼なじみ、じゃない。
ふたりとも、楽しそう……。
涼の表情は後ろ姿だから分からないけど、高橋さんはその可愛い顔を十分に綻ばせていた。
本当、お似合いだなあ……。
ーーちくり、胸に棘が刺されているかのよう。
じっと見つめていると、ぱち、と高橋さんと目が合った。
ーーくす
「っ、え……?」
今、小さく笑ったような……?
分からない。分からないけど、高橋さんは口の端を少しだけ上げた気がした。
ーーその瞬間。
ふたりは何か会話を交わしたかと思えば、ゆっくりと涼が高橋さんに近づいていって。
「ーーっ、…!」
私はとっさに体を向き直してふたりを無理矢理視界から外した。
うそでしょ、今。
……キス、してた。