初めての恋はあなたとしたい
「何か食べれそうか?」
私は小さく首を振った。
少し前向きになろうとしていたはずなのに、拓巳くんの帰国を聞いてからまた食欲が落ちてしまった。帰ってくるのを楽しみにしていたはずなのに、彼の口から聞けなかったのが思っても見ないほどにショックだった。
「まぁそう言うなって。美味しいうどん屋があるんだ。卵とじが美味しいから紹介するよ」
そう言うと私のバッグを手にして歩き始めてしまった。
いつもよりも遅いその速度に彼なりの優しさを感じ、私は後ろを歩き出した。
会社から10分も歩いただろうか。
暖簾がかかる小さなお店があった。中に入ると出汁のいい香りがしてくる。
背の小さなおばあちゃんが席は案内してくれ、なんだかほっこりしてしまう。
「卵とじふたつね」
着席するとすぐに夏木くんは注文をしてくれた。
「本当にうまいから期待して」
食欲がなかったはずなのにこの香りにそそられ、急にお腹が空いてきた。
あっという間に私たちの前にどんぶりが並べられた。
「いただきます」
湯気が立つどんぶりを前に手を合わせる。
レンガで汁を掬うととろみがかった卵がますます食欲をそそる。
食欲がないと言ったはずなのに私は完食してしまった。
「すごく美味しかった。連れてきてくれてありがとう」
「お腹いっぱいになると心にもゆとりが出るだろ? ちゃんと食べろよ」
私はコクリと頷いた。
体の芯から温まり、心の中まで温めてくれた気がした。
まだ拓巳くんから何も聞いていないのに、勝手に結論を出してはいけない。今後こそ向き合って納得したいと思った。
私は小さく首を振った。
少し前向きになろうとしていたはずなのに、拓巳くんの帰国を聞いてからまた食欲が落ちてしまった。帰ってくるのを楽しみにしていたはずなのに、彼の口から聞けなかったのが思っても見ないほどにショックだった。
「まぁそう言うなって。美味しいうどん屋があるんだ。卵とじが美味しいから紹介するよ」
そう言うと私のバッグを手にして歩き始めてしまった。
いつもよりも遅いその速度に彼なりの優しさを感じ、私は後ろを歩き出した。
会社から10分も歩いただろうか。
暖簾がかかる小さなお店があった。中に入ると出汁のいい香りがしてくる。
背の小さなおばあちゃんが席は案内してくれ、なんだかほっこりしてしまう。
「卵とじふたつね」
着席するとすぐに夏木くんは注文をしてくれた。
「本当にうまいから期待して」
食欲がなかったはずなのにこの香りにそそられ、急にお腹が空いてきた。
あっという間に私たちの前にどんぶりが並べられた。
「いただきます」
湯気が立つどんぶりを前に手を合わせる。
レンガで汁を掬うととろみがかった卵がますます食欲をそそる。
食欲がないと言ったはずなのに私は完食してしまった。
「すごく美味しかった。連れてきてくれてありがとう」
「お腹いっぱいになると心にもゆとりが出るだろ? ちゃんと食べろよ」
私はコクリと頷いた。
体の芯から温まり、心の中まで温めてくれた気がした。
まだ拓巳くんから何も聞いていないのに、勝手に結論を出してはいけない。今後こそ向き合って納得したいと思った。