時間が巻き戻って、心を入れ替えた悪役令嬢は何故か愛されるようになりました!
こう言えば、きっと譲ってもらえる。
でも、その読みは外れた。
「そいつは無理だ!こいつはわざわざ俺が出向いて買ったんだぞ!」
倍にして渡したら、いいと言ってもらえるかしら……
物凄い量の視線を感じながら、そう言おうとすると……
「それより、どうだ?俺と気持ちいいことをしないか?」
肩を抱かれ、生理的に無理だと判断した私はその手を振り払った。
すると、顔を真っ赤にさせた貴族の男性がいた。
「何するんだ!俺は高貴な貴族だぞ!」
「それはお互い様ですよ。というより、私の家の方があなたの家よりは格上だと思いますけどね」
「お前みたいな小娘の家が格上?そんなわけないだろうが!」
私は結構有名なつもりなんだけどね。
もちろん、悪い意味でだけど……
「申し遅れました。私はミルフィー・アイルデアです。理解しましたら、その子を譲ってください。ちゃんとそれ分の小切手を支払いますから」
「アイルデア……?それって、まさか……」