二次元に妻を奪われたくないスパダリ夫は、壮大すぎる溺愛計画を実行する
その頃、勇気は買い占めたグッズを部屋中に広げながら、飾るための配置を考えていた。
「やっぱり……小道具もちゃんと作らなきゃ……」
勇気はボソリと独り言を呟いてから、香澄の家から帰る途中に寄った百均で買った雑貨の数々も取り出した。
仕事もできずただ引きこもるしか出来なかった時期は、家にあるものを使ってでしか飾る場所を確保することができなかった。
だが、拓人から仕事をもらうようになってからは、推しグッズを飾るための祭壇をより豪華にする備品を買うゆとりは十分に手に入れた。
そんな勇気は、元々母親譲りで手先が器用だったこともあり、次々と神祭壇と呼ばれる作品を生み出した。
最初は、SNSでFF関係にいる香澄に見せるためだけに写真を投稿していた。
だが香澄は作家名のすみっこ名義でSNSをしていたこと、すでに例の涼をモデルに作ったリュウが活躍する小説が人気になったこともあり、香澄がリツイートしたことで、まずはすみっこのファンが次々とファボ&リツイートをするようになり、そこからじわじわ……からの、一気にバズってしまったのだった。
それ以来、勇気のSNSにはグッズ購入の度に勇気の作品を見にくるファンがついた。
最初こそ戸惑った勇気だったが、今まで家族以外の誰かに認められた経験がなかった勇気は、本当に嬉しかった。
だから、その思いに答えるために祭壇作りに関する投稿も始めるようになったのだ。
当初は完成品の写真だけだったが、次第に作り方のノウハウを知りたいという声が上がるようになったので、拓人からのアドバイスをもとに縦長動画も作るようになった。今ではその動画の再生数で、さらなる小遣いも稼げるようになった。コメントも、自分を褒めてくれるものばかり。
生まれてから、こんなに生きていてよかったと思える日々があっただろうか……。
勇気にとって、まさに香澄だけでなく拓人こそが、自分の人生に革命を与えてくれた人物。
だから、そんな人物から着信があれば、すぐさま取ってしまうのだ。正座して。
「はい!拓人さん?どうしました!?」
勇気が、ペコペコと頭を下げながら挨拶するが、相手からはしばらく反応がない。
(あれ?間違い?)
1分以上相手から無言が続けば、勇気でなくてもそう思ってしまうのが普通だろう。
勇気が、通話ボタンを切ろうと親指を動かした時、ようやく声が聞こえてきた。ただし。
「………………しま……」
「え?」
聞こえてきた声は、想像してもいなかった、ほんの数時間前に会話したばかりの……勇気が知る限りの最強なイケメン。
ただ、何を言っているのかをすぐに聞き取ることができなかった。
「やっぱり……小道具もちゃんと作らなきゃ……」
勇気はボソリと独り言を呟いてから、香澄の家から帰る途中に寄った百均で買った雑貨の数々も取り出した。
仕事もできずただ引きこもるしか出来なかった時期は、家にあるものを使ってでしか飾る場所を確保することができなかった。
だが、拓人から仕事をもらうようになってからは、推しグッズを飾るための祭壇をより豪華にする備品を買うゆとりは十分に手に入れた。
そんな勇気は、元々母親譲りで手先が器用だったこともあり、次々と神祭壇と呼ばれる作品を生み出した。
最初は、SNSでFF関係にいる香澄に見せるためだけに写真を投稿していた。
だが香澄は作家名のすみっこ名義でSNSをしていたこと、すでに例の涼をモデルに作ったリュウが活躍する小説が人気になったこともあり、香澄がリツイートしたことで、まずはすみっこのファンが次々とファボ&リツイートをするようになり、そこからじわじわ……からの、一気にバズってしまったのだった。
それ以来、勇気のSNSにはグッズ購入の度に勇気の作品を見にくるファンがついた。
最初こそ戸惑った勇気だったが、今まで家族以外の誰かに認められた経験がなかった勇気は、本当に嬉しかった。
だから、その思いに答えるために祭壇作りに関する投稿も始めるようになったのだ。
当初は完成品の写真だけだったが、次第に作り方のノウハウを知りたいという声が上がるようになったので、拓人からのアドバイスをもとに縦長動画も作るようになった。今ではその動画の再生数で、さらなる小遣いも稼げるようになった。コメントも、自分を褒めてくれるものばかり。
生まれてから、こんなに生きていてよかったと思える日々があっただろうか……。
勇気にとって、まさに香澄だけでなく拓人こそが、自分の人生に革命を与えてくれた人物。
だから、そんな人物から着信があれば、すぐさま取ってしまうのだ。正座して。
「はい!拓人さん?どうしました!?」
勇気が、ペコペコと頭を下げながら挨拶するが、相手からはしばらく反応がない。
(あれ?間違い?)
1分以上相手から無言が続けば、勇気でなくてもそう思ってしまうのが普通だろう。
勇気が、通話ボタンを切ろうと親指を動かした時、ようやく声が聞こえてきた。ただし。
「………………しま……」
「え?」
聞こえてきた声は、想像してもいなかった、ほんの数時間前に会話したばかりの……勇気が知る限りの最強なイケメン。
ただ、何を言っているのかをすぐに聞き取ることができなかった。