二次元に妻を奪われたくないスパダリ夫は、壮大すぎる溺愛計画を実行する
 それから10分ほど。
 覚醒(?)した勇気によって

「いかに今回のグッズのパッケージが神がかっているか」
「そもそも企画そのものがファンの心をがっしり掴んでいるか」

 といったくじ企画に関するうんちくから

「そういったものを作るには数々の神が必要なんですよ、わかります?あなたは神のよる神作品を汚したんです、万死に値しますよね」

 と、ことあるごとに涼を罵倒してきた。
 拓人は、香澄が涼に見せようともしない裏の面をよく知っているから、勇気にもあるとは思っていた。
 だが、スイッチが入った途端、ペラペラと流暢に涼を罵倒し続ける勇気は拓人にとっても想定外だった。
 そしてその言葉の数々は、いい感じに涼に刺さっていた。

(このまま勇気無双を楽しむのも悪くはないけど……)

 もはや高みの見物気分になりかけた拓人ではあったが、優先順位はまず香澄。
 そろそろ勇気劇場は小休憩させなくてはと、拓人は手をパンパン叩いて勇気を引き戻した。

「あ、あれ……?俺今まで一体何を……」
「勇気、あなたの言いたいことはわかったわ。こいつに対して言いたいことは私も山ほどあるけど、今日あなたを頼りたいのはそこじゃないの」

 拓人は、にっこり微笑みながら、勇気にこう言った。

「この暴走恋愛脳男に、ヲタの本当の心の開き方を教えてあげてちょうだい」
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