恋はひと匙の魔法から
「透子〜!来てくれてありがとう!」
「こちらこそ、呼んでくれてありがとう!夕貴すっごく綺麗!結婚本当におめでとう〜!雅人さんもおめでとうございます」
「透子もね!婚約おめでとう!よかったねぇ、ほんと。急展開すぎてこっちはめちゃくちゃびっくりしたけど」

 透子の長い片想いを知っている夕貴は感慨深げに微笑んだ。
 遼太にプロポーズされ、親に報告した次に夕貴にもメッセージを送った。するとすぐさま電話がかかってきて、その際音割れするほど大絶叫されたことを思い出し、透子もまた笑みを浮かべる。

「西岡さん、俺のおかげですよ。透子ちゃん紹介したの俺ですからね、俺。今度四人で飲み行きましょうよ。そんでもって奢ってください」
「おまえはそれが目的だろ」
「えっ!四人で飲めるんだったら私、宅飲みがいいです!透子のご飯が食べたい!」
「それいいな!俺も一回くらい透子ちゃんのご飯食べてみたい!」
「私はいいですよ。遼太さんは?」
「雅人はダメ」
「なんでっすか!」

 戯れあっていると苦笑しているカメラマンから撮影を促され、四人はようやくレンズの方を向いた。
 
 写真を撮り終えると、再び遼太は透子の腰に手を添えてピッタリと寄り添いながら、透子を席まで送り届けた。その一部始終を同じテーブルに着く友人たちに凝視され、透子は気恥ずかしさを覚える。
 しかも去り際に「ネックレスずれてる」とわざわざ耳元で囁き、見せつけるように透子の首筋へ指を這わしてそっと位置を直すものだから、テーブルからは黄色い悲鳴が上がる始末。
 席に着いた途端、女子たちから「あのイケメンって何者?!透子の彼氏なの?!どういうこと?!!」と狂乱気味に問い詰められ、透子はかくかくしかじかと説明する羽目になった。
 ふと隣に座る同期を見やると彼はひきつり笑いを浮かべていて、透子はなんだか申し訳ない気持ちになったのだった。

 そして家に帰ってからは、お仕置きと称して彼に何度も貪られ、ベッドに沈んだのだった。
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