恋はひと匙の魔法から
ダイニングテーブルには、遼太の言った通り昼食の準備が既に整えられていた。ご飯、鮭の塩焼き、味噌汁、そして透子が作り置いていた筑前煮と大根のべったら漬けが並べられている。豪勢なフランス料理のフルコースとお酒で疲れた胃に優しいメニューである。
一緒に住むようになってから、休日の昼は遼太も一緒に台所に立っている。
そのおかげで、彼の料理スキルも少しずつ向上していて、乾燥わかめとカットネギを使った味噌汁くらいなら問題なく作れるようになっていた。
包丁は……見ているこちらがハラハラするほど手つきが危なっかしいので、今はまだ封印してもらっている。
「いただきます」
手を合わせて箸を取る。
まず初めに味噌汁を口に含んだ。だしの効いた、ほっとする味わいが口内に広がり、透子の口元が弛む。五臓六腑に染み渡るようで、飲み終えると透子は満足げに息をついた。
だが、向かいに座る遼太は何かが気に入らないようで、お椀を手に持ちながら眉をひそめている。
「やっぱり、透子が作るのとは味が全然違うんだよなぁ……」
「とってもおいしいですよ?」
「最初の頃に比べたらまともに作れるようにはなってきたけどさ、でも何か違うんだよ……」
何が違うんだ?と唸りながら味噌汁を啜っている。
妥協を決して許さない彼らしい探究心に、透子は苦笑いをこぼした。
彼は透子の料理に隠された秘密をまだ知らない。改めて話す機会がなかっただけだが、そろそろ種明かしをしてもいい頃合いかもしれない。何せ二人はもうすぐ家族になるのだから。
一緒に住むようになってから、休日の昼は遼太も一緒に台所に立っている。
そのおかげで、彼の料理スキルも少しずつ向上していて、乾燥わかめとカットネギを使った味噌汁くらいなら問題なく作れるようになっていた。
包丁は……見ているこちらがハラハラするほど手つきが危なっかしいので、今はまだ封印してもらっている。
「いただきます」
手を合わせて箸を取る。
まず初めに味噌汁を口に含んだ。だしの効いた、ほっとする味わいが口内に広がり、透子の口元が弛む。五臓六腑に染み渡るようで、飲み終えると透子は満足げに息をついた。
だが、向かいに座る遼太は何かが気に入らないようで、お椀を手に持ちながら眉をひそめている。
「やっぱり、透子が作るのとは味が全然違うんだよなぁ……」
「とってもおいしいですよ?」
「最初の頃に比べたらまともに作れるようにはなってきたけどさ、でも何か違うんだよ……」
何が違うんだ?と唸りながら味噌汁を啜っている。
妥協を決して許さない彼らしい探究心に、透子は苦笑いをこぼした。
彼は透子の料理に隠された秘密をまだ知らない。改めて話す機会がなかっただけだが、そろそろ種明かしをしてもいい頃合いかもしれない。何せ二人はもうすぐ家族になるのだから。