やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
 男性も見惚れるほどの美形が、いかにも事後です、という感じで。
 シャワーを浴びたのがわかる、上半身裸の腰タオル姿で。
 私を後ろから抱き締めて立っていたからだ。


 シドニーの目線が上下左右に動いているのがわかる。
 顔だけじゃない、身体だってオルは綺麗だ。
 無駄のない筋肉質の身体は男性からしたら、羨ましくて仕方ないと思う。


「ディナをベッドで泣かせたのは俺だけど?」


 確かにね、貴方のせいで。
 私は自分のベッドで泣いたけど!

 意味ありげに、ジャガイモに見せつけるように、つむじにキスするのは止めて!



「ディナ、って何だ! あんた、誰だよ!」

「ディナは俺だけが呼べる名前。
 それに俺が誰でも、従姉の婚約者には関係ないね?
 でも敢えて言うなら、ディナの背中の黒子の数を知っている男」

「嘘!見たの前だけでしょ!
 背中なんて見せてない!」

「自分には見えないからね。
 左の肩の下、右の腰のところにひとつずつ。
 他は後で教えてあげる」
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