やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
 いい加減なことをオルが言うから!
 つい、口を挟んでしまった。
 それを聞いたシドニーが何故か赤面して、私達を睨んでいた。


 借主(祖父)に無断で、私が留守の間にこの部屋で。
 モニカとあんなこと、こんなことしていた
(と思われる)男が、これくらいで顔を赤くするな!




「これはこれは、どう言うことですか?」


 お芝居がかった、その言葉と共に現れた人物は……



 私の方が、これはどう言うことですか?と聞きたい。


 月曜日にお金をお返します。
 汚したコートは、水曜日まで待ってください。


 私とパピーの救世主で、(自分が思う)格好いい台詞を言いたがるフィリップスさんだった。


 休息日の日曜日の正午過ぎ。
 私だけが固まっていた。


 ◇◇◇


 オルはフィリップスさんに右手を上げて、俺はパピーだよ、と微笑みながら挨拶をした。
 シドニーはいきなり出現した大人を不審げに睨み付けていた。
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