やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
 その年数に反応したのは、言われたフィリップスさんではなくて、シドニーだった。
 追い払われて帰るのは、彼のプライドが許さないのだろう。
 ただ最後に私とオルに文句をつけたいだけだ。


「嘘だ!
 俺は3年、一緒に居たんだぞ!
 ジェンにこんな男が居たなんて、あり得ない!」

「先輩が私に知られないように、1年間隠れてモニカとお付き合いをしていたように。
 私も先輩に知られないように、2年間先輩が知らないひととお付き合いをしていたんです」


 
 こんな子供じみた下らないことで、張り合うのは情けない。
 だけど、私はやり返したかった。
 貴方とモニカに1年間隠されていたことなんかに、傷付いていませんよ、と言ってやりたかった。
 私の方だって、2年隠していたんだから、と。


「そんな……そんな女だったなんてな。
 もう話しかけない、キャンベルも俺に話しかけるな」

「望むところだ、おとといきやがれ」


 言ってやった!
 そうだよ、リーファ。
 この言葉は、2度と会いたくない奴に使うのです。
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