やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
「16歳の私なら、今よりもっと簡単だから、面倒じゃないかもね。
 貴方に誘惑されたら……」

「馬鹿なこと言うな!」

 オルに初めて大声を出された。
 私だって本気で言った訳じゃない。
 だけどオルは真剣に怒っている。


「君を本当に抱きたいと思った。
 だからって、まだ16の君には手は出さないくらいの理性は持ち合わせてる。
 ……俺はもう……1年以上ディナに触れていない。
 それで君に対して、情けないけど自制心が効かなくて」

「1年以上って……どうして?
 私達は同棲してて愛し合ってて、なんでしょう?」

「ハイパーのことで、モニカに呼び出された君は毒を飲んだ。
 その日から17ヶ月、君は眠ったままで目覚めない」
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