やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
「お迎えは二頭立てで来たの……」
「モニカは荷馬車よりこっちの方が好きでしょ?」
私がさらっと明るく言うので、モニカは何も言えないようだった。
先に乗り込もうとした私の服を、例の女の子が掴む。
「約束! 皆で23人居るの!」
人数を教えて貰って頷いた私を、モニカが怪訝そうに見る。
私は女の子に人差し指を立てて、秘密だと身振りで伝える。
「内緒だよねー」
「だよねー」
女の子と微笑みあって声を合わせると、『帰るわ』とモニカがいつもより低い声で言った。
明らかに面白くなさそうなモニカが面白い。
私にはモニカのような匂わせのテクニックはないが、意地悪には自信がある。
続いてモニカが乗り込んで、モンドが御者席に登ろうとした時、彼女は何かを思い出したかの様に窓から顔を出して、見送りの中から腕を組んでいた少女を手招いた。
「言い忘れていたんだけど……
さっき庇ってくれた時、オルくん、怪我をしたかもしれないの。
マーサが確認して、手当てをしてあげてね」
「モニカは荷馬車よりこっちの方が好きでしょ?」
私がさらっと明るく言うので、モニカは何も言えないようだった。
先に乗り込もうとした私の服を、例の女の子が掴む。
「約束! 皆で23人居るの!」
人数を教えて貰って頷いた私を、モニカが怪訝そうに見る。
私は女の子に人差し指を立てて、秘密だと身振りで伝える。
「内緒だよねー」
「だよねー」
女の子と微笑みあって声を合わせると、『帰るわ』とモニカがいつもより低い声で言った。
明らかに面白くなさそうなモニカが面白い。
私にはモニカのような匂わせのテクニックはないが、意地悪には自信がある。
続いてモニカが乗り込んで、モンドが御者席に登ろうとした時、彼女は何かを思い出したかの様に窓から顔を出して、見送りの中から腕を組んでいた少女を手招いた。
「言い忘れていたんだけど……
さっき庇ってくれた時、オルくん、怪我をしたかもしれないの。
マーサが確認して、手当てをしてあげてね」