やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
私も、考えたくない……
返済から逃れるために、息子の死を隠した侯爵夫妻はクズ中のクズだ。
「息子が死亡したことで婚約白紙となり、それまでの借金を返済しなくてはならないから、ですね?」
「息子と同じ年頃、同じ金髪碧眼のサイモンを探し当てたセドリックは、さすがに直ぐには引き取ることが出来ずに、息子は病気療養中だとして、婚約者の両親にはある程度の年齢、つまり本人の面影が曖昧になるまで会わせないように画策した」
「面影が曖昧に、ってそんなことが可能でしょうか?
それまでの初等学校の同級生はシドニーの顔を覚えていますよね?
療養なんて逃げても、婚約者ならいくらでも会いに行けるじゃないですか?」
「シドニーは病弱だったようで、初等には通学せずに家庭教師を雇っていた。
ヒルデの実家のフラウ家は、この国の貴族ではない。
だからこそ、没落しかけたエドワーズと、名門と言うだけで婚約が結ばれたのだ」
「……」
「それに、このグーテンダルクの方も結構キナ臭い。
乞われるままに金を融通していたのには、何かしら裏があるだろうな。
だが、これ以上婚約について調べることは必要なしと判断した。
……火災によりフラウ家は全員死亡して、セドリックの悩みの種の借金は消えた」
返済から逃れるために、息子の死を隠した侯爵夫妻はクズ中のクズだ。
「息子が死亡したことで婚約白紙となり、それまでの借金を返済しなくてはならないから、ですね?」
「息子と同じ年頃、同じ金髪碧眼のサイモンを探し当てたセドリックは、さすがに直ぐには引き取ることが出来ずに、息子は病気療養中だとして、婚約者の両親にはある程度の年齢、つまり本人の面影が曖昧になるまで会わせないように画策した」
「面影が曖昧に、ってそんなことが可能でしょうか?
それまでの初等学校の同級生はシドニーの顔を覚えていますよね?
療養なんて逃げても、婚約者ならいくらでも会いに行けるじゃないですか?」
「シドニーは病弱だったようで、初等には通学せずに家庭教師を雇っていた。
ヒルデの実家のフラウ家は、この国の貴族ではない。
だからこそ、没落しかけたエドワーズと、名門と言うだけで婚約が結ばれたのだ」
「……」
「それに、このグーテンダルクの方も結構キナ臭い。
乞われるままに金を融通していたのには、何かしら裏があるだろうな。
だが、これ以上婚約について調べることは必要なしと判断した。
……火災によりフラウ家は全員死亡して、セドリックの悩みの種の借金は消えた」