【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで

* * *


カトリーナは立派な馬車に乗って窓から景色を眺めていた。
サシャバル伯爵邸から、ほとんど出たとことのないカトリーナにとっては何もかも真新しく映る。
ナルティスナ領にいく時は景色も見ていたが、マナー本と寒さに気を取られて少ししか見られなかったことを悔いていた。

馬車の窓に張りつくようにして景色を見ているカトリーナを見て、ニナとトーマスが微笑んでいる。
王都はナルティスナ領に比べると蒸し暑い。
クラレンスはいつものように黒い全身を覆うローブを持ってきたようだが今は脱いでいる。
ローブを羽織っていても魔法の力で、まったく暑くないそうだ。

今はラフな格好をしているがクラレンスのスタイルのよさが際立っている。
雪のように真っ白な肌にこの国ではとても珍しい髪色と瞳。
国王もオリバーと同じ髪色や瞳の色をしているため、尚更そう思うのかもしれない。

クラレンスは口では冷たいことを言うのだとニナがよく騒いでいるが、カトリーナにとってはクラレンスの言葉や行動、すべてが温かく思えた。
こんなにも心穏やかな日々を過ごせるならば、カトリーナを身代わりにしてくれたシャルル達に感謝したいくらいだ。


「クラレンス殿下は何を買われるのですか?欲しいものとかは……」
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