【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
「俺は別に欲しいものはない」

「そうですか」


カトリーナは小さく頷いた。
ニナがフォローを入れるように「今日はカトリーナ様のドレスや普段着、防寒着をたくさん買うのですよ?」と言って嬉しそうにしている。

一カ月後に控えた王家主催の舞踏会に出てみないかと、クラレンスに提案されてからダンスの練習も頑張っている。
今日はカトリーナのために普段、着る服だけでなくドレスも用意してくれるそうだ。
申し訳ない気持ちでいっぱいだったが、こういう時クラレンスは「今後のための練習だ」と言ってくれる。

カトリーナが遠慮しないようにと気遣ってくれているのだと思った。


「カトリーナ様は何色が好きなのですか?ドレスを選ぶ際の参考にしたいのですが」


ニナの問いかけにカトリーナはクラレンスをじっと見た。
空色の美しい髪と宝石のような青い瞳を見てから、ニナに視線をもどす。


「できればでいいのですが……青か空色がいいです。クラレンス殿下の髪と瞳、すごく綺麗なので」

「まぁ……!」

「……!」


カトリーナの言葉にクラレンスもニナも驚いているように見えた。
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