【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
「いいドレスが見つかるといいな」

「はい」


クラレンスの言葉に素直に頷いた。


「私は……こうして買い物をすることが、はじめてなのでとても楽しみです」

「……」

「景色もナルティスナ領とは違いますね」


こうして自由に外出して景色を見れるだけでも幸せだった。
ニナは目元を布で押さえながら「いっぱい、いっぱい買いましょうね!」と言っている。
クラレンスはいつものようにカトリーナの頭を優しく撫でている。

(お店で皆さんが喜びそうなプレゼントを買えたらいいのだけれど……)

そんな思いはあるものの、自分の知識不足が嫌になる。
カトリーナは今までサシャバル伯爵邸から出たことはない。
もちろん買い物もしたことはなかった。

サシャバル伯爵邸にくる商人とのやりとりを見たことはあっても、お金をもらって働いていなかったカトリーナは自分で何かを買うこともできなかった。

カトリーナはプレゼントを買うために、前もってニナにお金の使い方や買い物の知識を教わっていた。
そして再び、どうすればうまく買い物ができるのかを確認する。
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