【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
頬を赤らめているカトリーナを見て、クラレンスは目を見開いている。
ニナは感動からか瞳を潤ませてポケットから布を取り出した。
トーマスは「荷物は持ちますから任せてくださいね」と言って笑っている。


「気持ちは嬉しい。だが、一人で行かせるのは心配だ」

「クラレンス殿下の仰る通りです!カトリーナ様になにかあったら……わたしが付き添います!」

「大丈夫です。ニナさんに教わりましたから、一人で平気です」


プレゼントを本人達の前で買うのもどうなのだろうか、という気持ちからカトリーナは首を横に振る。


「わかった。では、道の向かいに停めた馬車でカトリーナを待っている」

「え……?」

「買い物が終わったら呼んでくれ。それから……っ」

「クラレンス殿下がこんなに心配性だったなんて、わたしははじめて知りましたわ」

「当たり前だ」


クラレンスの言葉を遮るようにニナが言った。
最後まで、一人で行かせたくないと不満そうなクラレンスだったが、カトリーナの意思を尊重してくれたようだ。
カトリーナは頭を下げて高級感のある店へと足を踏み入れる。
クラレンス達を待たせるわけにはいかないと、急いで辺りを見渡していた。
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