【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
クスクスとカトリーナを嘲笑う声。
スッと血の気が引いていき、首を絞められたように声が出なかった。
店員もサシャバル伯爵夫人とシャルルの言葉に困惑しているようだ。
カトリーナが動けないでいると、二人は好き放題いっている。


「こんなに高価なものをおつかいで頼まれるくらいだもの…………いい場所で使ってもらっているのかしら?」

「何言っているのよ、お母様。きっと金持ちなジジイの慰み者でもやってるに決まっているわ」

「……っ」

「なんとか言いなさいよ」

「本当、つまらないじゃない。さっさと答えなさい」


シャルルがイライラした様子で店のテーブルを叩く。
ガンッという音にカトリーナは大きく肩を揺らした。
どうやってこの場を抜け出せばいいのかがわからない。
ガクガクと震える足では、立ち上がることができなかった。

ニナが綺麗にまとめてくれたカトリーナの髪をサシャバル伯爵夫人が掴んで引き上げる。
カトリーナが痛みに顔を歪めてもお構いなしだ。
そしてシャルルが「手がすべっちゃったわ」と言いながら、わざと綺麗にラッピングしてもらった箱をテーブルから落としていく。

──グシャ、グシャ

それをサシャバル伯爵夫人とシャルルが靴で踏みつけていく。
< 150 / 218 >

この作品をシェア

pagetop