【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
圧倒的な力にサシャバル伯爵夫人はその場に崩れ落ちるようにして座り込んでしまう。
シャルルもパニックになって叫んでいた。
悲鳴が響き渡る店内……これ以上、店に迷惑をかけてはいけないとカトリーナはクラレンスに声をかける。


「クラレンス殿下、私は大丈夫ですから……これ以上はお店が壊れてしまいます」

「……!」

「どうか……落ち着いてください」


カトリーナの声が耳に届いたのか、クラレンスの深い青色の瞳と目が合った。
落ち着きを取り戻したのか小さな声で「……すまない」と言って、カトリーナの無事を確かめるように抱きしめた。

パチンと指を弾くと氷がキラキラと溶けていく。
端の方で固まっていた店員達も魔法の力とカトリーナが発した「クラレンス殿下」という言葉に、クラレンスが第一王子だと気づいたのだろう。
クラレンスとカトリーナに向かって深々と頭を下げている。


「迷惑を掛けてすまなかった。店の補修代はこちらに請求してくれ」

「あ、ありがとうございます……!」
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